産休中に保育園の情報収集をしたいけど、何からすれば?という妊婦さん、多いのではないでしょうか。初めての保育園探しにはいろんな疑問や不安が尽きないですよね。
「実際はどのくらい確率で保育園に入れるのだろう?」「みんなどうやって保育園を選んでるのだろう?」
「自分の住む近辺にはどのくらいの保育園があるのだろう?」「保育料ってどのくらいなのだろう?」
そこで、この記事では筆者の住んでいる「品川区」の保育園情報を、実際に区役所で聞いたこと・もらった資料などから抜粋して分かりやすくまとめました。品川区の方には特に!それ以外の区でも初めて保育園探しをする人にとっても参考になる内容かと思います。
※この記事の内容は2017年4月時点の情報です
目次
品川区の保育園の入園確率
品川区の保育園は、実際どのくらいの確率で入園でき、どのくらいの人が不承諾となってしまっているのでしょうか。
品川区役所の保育課の人に聞いたところ、2017年4月時点では下記のような結果だったとおっしゃってました。
- 入園希望者合計:約3400名
- 実際の入園者数合計:約2400名
- 不承諾(落ちてしまった)数:約1000名
※この数字はあくまでも「認可保育園」(国の設置基準を満たし認可された保育園)の場合のみです。
計算すると、入園確率は「約70%」ということになります。希望者の約70%が入園できている反面、約30%は不承諾になっているんですね。
ただ、認可外(認証含む)施設も含めると、品川区では約90%の人が保育園に入園することができているそうです。本来であれば認可保育園に預けたいけれども、やむを得ず認可外に預けている世帯も2〜3割は存在しているということになります。そして、この認可外保育施設にも預けられていない園児を「待機児童」と言います。
待機児童数というのは、認可・認可外含めてどちらにも入れなかった場合の数です。なので、認可外でも入園できている場合、待機児童数にはカウントされません。
そのため、横浜市などが待機児童数ゼロ!と言って記憶に新しいですが、その裏側では認可外保育園へやむを得ず預けている世帯も多い、ということになります。
区・市役所で実際にお話を聞くことがあったら、認可保育園・認可外保育園・待機児童数は分けて聞いた方が良いかと思います。
認可保育園・認可外保育園の違いについては、下記の記事で詳しく解説しています。
年齢別の応募数(2017)
赤ちゃんを何歳から保育園に預けるか、まだ決めていないという方も多いのではないでしょうか。
私自身、出産のタイミングを考えると、次の4月の時点でまだ生後半年足らずという状況のため預けるのには早すぎるのでは、と躊躇しています。
ただ、0歳児よりも1歳児での入園の方が難しいといわれます。というのは、0歳児で募集されてほぼすべての枠が埋まり、そのまま繰り上がるケースがほとんどだからです。
0歳の子が1歳になるタイミングで他の園に転園したり、世帯の引越しがあったりしない限りは1歳の枠には空きがでないということです。
2017年4月時点の品川区の年齢別の利用希望数は下記のような結果でした。
私と同様に、1歳で預けたいと考えるママが多いからなのか、空き枠が少ないにもかかわらず1歳児での利用希望の数が圧倒的に多い結果となっています。
※保育園の利用申請の際には、第1希望〜第8希望の園を申請できます。ここでは、そのすべてをカウントしているため利用希望数イコール世帯数ではありません。
0歳児 | 1歳児 | 2歳児 |
---|---|---|
6598 | 8385 | 2761 |
品川区の保育園の選考基準
保育園へ入園するには重要なポイントがあります。それは、各世帯の「点数」(指数)です。
各園には、入園できる数に限りがあるので、希望者の数がそれを上回ってしまった場合、必然的に入園できない世帯がでてきます。
では、入園できない場合はどのような基準で決められているか、というと区が定めた選考基準・優先順位によって決められています。
それが、下記で説明する「基本指数」「調整指数」「階層(課税額)」「その他の基準」です。
保護者(父母)のそれぞれの状況について点数(指数)をつけ、その合算数値が高い世帯から優先的に保育園への入園が認められます。点数が高ければ高いほど入園できる確率は高くなるということです。
ただし、点数は世帯によっては同じ点数になることも考えられますよね。その場合にも、どの世帯を優先的に入園させるか、という優先事項も決まっています。
品川区が世帯の点数・優先順位を判断するには
- 基本指数
- 調整指数
- 階層(課税額)
- 同居の祖父母のいないもの
- 区内在住年数の長いもの
この優先順位で決められます。下記でそれぞれの詳細をみていきましょう。
基本指数
基本指数とは、保護者(父母)の状況を示すものです。
下記の表の、「保護者の状況」「細目」の中で自分がどれに当てはまるか確認してみましょう。一番右にある「指数」が自分の点数になり、父と母を合算すると世帯の点数になります。
例えば、番号 1の中で、「月20日以上勤務し、日中8時間以上の就労が常態」が父母ともに当てはまればその世帯の基本指数は40点となります。
調整指数
調整指数は必ずしも全世帯が当てはまるわけではなく、この中に当てはまる項目があり、なおかつそれに該当していることを証明する書類が提出された場合に加点されます。
認可保育園に希望を出したけど不承諾になってしまったため、「9-1:月額20,000円以上の認可外保育園に預けている場合(助成対象)」に当てはまるとしたら、基本指数に2点がプラスされます。基本指数が40点であれば、合計で42点になりますね。
階層(課税額)
品川区では、同一点数の世帯が多くいた場合、区市町村民税の税額が低い世帯から優先的に入園が認められます。
税金を多く収めている世帯というのは、それだけ世帯年収が高いということになります。年収の低い世帯から優先的に認可保育園に入ってもらえるようにしてるんですね。
税金を多く収めてる世帯からすれば、どちらかというと優先すべきはこっちじゃないのか、と思われそうですが。。。
支払っている税額によって階層(A〜D25)を分けています。また、その階層によって認可保育園の保育料も決められます。
この税額は父母の収める税額の1年分の合算数値となります。
例えば、父母合わせて1年間で320,000円を収めていれば、その世帯の階層は「D14」ということになります。
その他の基準
最後に、同居の祖父母がいないかどうか、区内にどのくらい長く住んでいるかというポイントも確認対象になります。
例えば、基本指数・調整指数を合算して同じ42点で、なおかつ階層も同じD14の世帯が2世帯だった場合、祖父母と同居している世帯よりも同居していない世帯が優先されます。どちらも祖父母と同居していない場合は、区内に在住している年数が長い世帯が優先されます。
これらの選考基準を通過した世帯が保育園に入園できるということになります。
・・・なんだか点数や項目だけ見ると、保育園に入ることがとてもハードルが高いことのように感じますよね。ただ、現実を知ることは大切です。区が定めた項目を満たさない限りは保育園に入れないということは明白なので、自分の世帯が何点くらいなのか?はざっくりと把握しておきましょう。
認可保育園の入園指数
ここまでで、各世帯の点数(指数)についてはなんとなくわかりました。ただ、この点数は高い点数であればどこの保育園にも入れる、ということにはなりません。
保育園ごとに、入園できる最下指数が都度変動するためです。
最下指数とは、簡単にいうと保育園ごとに決まっている入園可能な園児(世帯)の最低点数および階層の基準ラインです。
例えば、入園の最下指数が「点数:40点 / 階層:D9」の保育園があったとします。
その場合、41点以上であれば入園確率が高いです。また、40点だったとしても、D9よりも低い階層であれば入園する確率は高くなります。※優先順位はあくまでも点数 → 階層となります。
このように、各園の募集枠や希望者数などによって認可保育園は都度、最下指数という基準ラインを持ちます。
2017年4月一次選考時点での各園の入園指数は下記の通りでした。
区立
私立
地域型
40点のところもあれば43点のところもありますね。なので、世帯点数が40点であれば43点の入園指数を持つ保育園には入りづらい、ということが想定できます。自宅近くや職場近くの保育園の過去の入園指数を確認して、どこの保育園なら入りやすそうか目処をつけておくと良いでしょう。これは、現実的に通園できそうな保育園を絞るのに役立ちます。
ただ、注意してほしいのは、この入園指数は毎年・毎月変動するものなのであくまでも参考に、としか言えないというのが正直なところです。
区立→区が設置し、区採用の保育士が保育をしている
私立→社会福祉法人や民間事業所、個人が運営する保育園
地域型保育事業→地域における多種多様保育ニーズへの対応・待機児童解消のため、少人数の単位で0歳から2歳の乳幼児を保育する事業
いずれも「認可保育園」なので保育料なども同じく階層で決められます。
品川区の助成金
前述した通り、品川区の認可保育園に預けた場合の保育料は保護者(父母)の階層(区民税合計額)にもとづいて決定します。そのため、同じ保育園に預けていたとしても世帯によって保育料は変動します。
もし、認可保育園への入園ができなかった場合には、認証保育園・認可外保育園への入園も視野に入れることになると思います。認可外保育施設は、国や区が設置している保育園ではないため、各園によって保育料が異なります。
一般的に、認可外保育園や認証保育園は、国や区などから援助を受けていないため保護者が負担する保育料が高くなる傾向にあります。そのため、品川区では、待機児童対策の一環として保育料の一部助成をしています。
認可外保育園へ預ける場合と、認証保育園へ預ける場合とで助成金が変わるので分けて解説します。
認可外保育園の場合
助成月額は
- 0歳児:50,000円
- 1歳児:45,000円
- 2〜5歳児:40,000円
となっています。(2017年8月時点)
ただし、すべてのケースが助成されるわけではなく対象となる施設・対象となる人が決まっています。
対象施設
認可外保育施設のうち、ベビーホテル・その他施設で東京都から認可外保育施設の指導監督基準を満たす旨の証明書の交付を受けている施設
対象となる人
認可保育園、地域型保育事業の入園申し込みをして、保育の必要性の認定を受けたが不承諾となり対象となる認可外保育施設に預けている人
認証保育園の場合
認証保育園とは、認可外保育施設のうち東京都が定めた施設基準を満たした施設のことをいいます。
0〜2歳児
0〜2歳児は対象保育料の上限を66,000円として認証保育園と認可保育園との基本保育料の差額を助成をする。
例)階層より認可保育園の保育料が55,000円の世帯で、やむを得ず月額80,000円の認証保育園へ預けている場合→上限66,000円 – 55,000円 =助成額11,000円 となる。
3〜5歳児
3〜5歳児の場合は、所得状況に応じて40,000円までの定額助成を行う。
対象となる人
3歳児以上は、認可保育園の入園申し込みをして不承諾となった場合のみ。
希望の園で不承諾となった場合
もし、希望の認可保育園に希望申請を出して不承諾となってしまったらその先はどうすれば良いのか、迷いますよね。育休中の人は1年〜1年半と復帰までのタイムリミットも決まっています。
どうにかして保育園に預けて仕事復帰をしなければならない(したい)状況であれば、
- 毎月キャンセル待ちが出るのを待つ
- 認可外・認証保育園へ預ける
の2択がメインになりますよね。
筆者の場合は、認可外・認証保育園へ預けるというのを最初から視野に入れています。
その理由は、
- 10月中旬に出産予定で、4月入園だとまだ生後半年くらいである
- 出産後、引越ししたばかりの新しい自宅での生活になるため生活の慣れやエリアの下調べも必要
- 育児や家事で12月中旬くらいまでの締め切りに間に合うかが見えない
- 世帯点数がおそらく40点で階層D14以降になりそうなのでライバルが多そう
- 第一子なので1年間くらいは一緒に過ごす時間を長く取りたいという気持ちもある
などの理由からです。ただ、0歳の可能なタイミングで認可保育園への申込み自体は挑戦してみようと思っています。それで不承諾であれば、認可外施設に問い合わせて申込みをします。
そうすると世帯の点数も上がるので、1歳の4月でどうにか認可保育園に入れないかな、という希望を持っています。
認可外保育園もそんなにスムーズには入れないと聞くので、こればかりは本当にどうなるかわかりませんが;;
参考になれば幸いです。
まとめ
この記事では、品川区の保育園事情についてまとめました。区役所にいって直接問い合わせてわかったことばかりです。
保育園の情報収集をする場合、妊婦さんにとっては少しお出かけすることもなかなか億劫だったり疲れてしまったりするので、このような情報はネット上でわかると良いなと私自身痛感したためまとめました。
ただ、最終的には区役所に行く必要が出てきます。認可保育園の申込みなどは郵送などでは受け付けておらず、必ず窓口で書類を提出しなければならないということなので、もし出産前にできるだけ早くから行動しておきたいという場合は動けるうちに行かれることをおすすめします。
また、出産後に動くとしてもある程度、プランを立てておけるようにしておくとスムーズかなと感じます。
無事に希望の保育園に入れるようにお互い頑張りましょう。